2024.6.25

「オリジナルのアロマストーンを目指して」-FRAGRANCE JOURNAL Vol.1-

マインドセンスの香りをストーンでご紹介したい、と思い立ち、あれやこれやと調べては行き詰まり、それでも諦めきれずに制作をお願いできる窯元を探した結果、ついにオリジナルのアロマストーンを作っていただける窯元に出会うことができました。
このジャーナルは、ROAlivのアロマストーンの窯入れの日に、窯元を訪ねた記録です。

 

完成したストーン

 

2024年4月。訪ねたのは、福岡県田川郡にある上野焼(あがのやき)の庚申窯(こうしんがま)。
福岡市の中心部から車で1時間30分ほど、のどかな風景を登って行った先にありました。
上野焼(あがのやき)は1602年から続く由緒ある焼き物で、このあたりには代々続く窯元が何件かあるそうです。

庚申窯3代目当主である高鶴裕太さんに今回のストーン制作を依頼させていただきました。
事前にメールのやり取りで作業を進めていただいていて、成形されたストーンを写真では見ていましたが、ようやく現物に対面できました。
手のひらにちょこんと乗るまだ色白のストーンはどこか儚く、手に持つのも緊張するほどです。
さぁ、次のステップは窯入れです。

 

謎のマカロンのような成形前

 

バリを取って表面を磨いて成形中

 

乾く前と自然乾燥後

 

緊張感漂う焼き前のストーン

 

「ついに窯入れ」

今回は素焼きになるため、土を成形したら窯で焼き上げるというシンプルな工程ですが、1つずつ手作りのため時間がかかります。
土をこねて成形しロゴ判を押したら1週間自然乾燥します。
その後、窯入れですが、夜に窯入れして、翌朝取り出すため、取材の身としては少し寝不足になりながらも福岡市内とを往復し、取材を続行しました。

窯は800℃で6時間ほど焼き、窯が150℃くらいになると窯から取り出し自然乾燥へ。
取り出したストーンは、うっすらとベージュ色に変化していて、手を近づけると温かいのです。
無事に焼きあがったストーン達を見ることができ感無量。
愛おしいROAlivの子達ですが、この後の研磨作業を経て、すべすべのストーンが完成となります。

陶芸家の高鶴さんが「ほがらかな焼き物を作りたい」と語られているのですが、まさに素朴な佇まいと何とも言えない温かみは「ほがらか」そのものです。
このほがらかなストーンを愛でに店舗へお越しいただけたらうれしいです。

 

窯入れ待ちストーン

 

窯入れ。温度は何と180℃に。

 

窯出し直後。ストーンが温かい。

 

庚申窯3代目当主 高鶴裕太さんインタビュー

Q)高鶴さんは横浜で経済学部の大学生だったそうですが。
高鶴さん)大学3年生の時に絵を描き始め、物をつくるのが楽しいと思ったのが始まり。大学卒業後を待って準備をする選択もあったけれど、実家が窯元だったので、じゃあ、すぐに始めようと思った。

Q)ご実家に戻られ、修行の道に入られたのでしょうか?
高鶴さん)庚申窯は、祖父の代から始まった窯で、その時から習うのではなく、自由に創作していくスタイルだったので、必然とそのスタイルを踏襲しました。

Q)今回はオーダーメイドだったが普段の作品は?
高鶴さん)普段は食器が多いですね。もともと上野焼きは佐渡の器を作る窯元だったので、その文化として食器が根付いています。 作るものは眺めるものではなく、実用性のあるものが多く、その中でどうかっこよくいられるか、というバランスを大切にしています。実用性と美しさのバランスですね。

Q)ストーン作りは初の試みと伺いました。
高鶴さん)ストーンの形状は初挑戦だったので、試行錯誤している中で、どうやれば一番ナチュラルな丸みを出せるか、という課題がありました。 2枚の粘度版を合わせてつくるので、割れないようにどのように焼き上げるのか、を考えました。

Q)ストーンの淡いベージュがROAlivベージュと感じています。
高鶴さん)今回は素焼きでもともとベージュの焼き上がりだったのですが、最後の仕上げに耐水性の研磨ペーパーを使うと、土の奥が表面に出てくるのですが、それが一段薄いベージュ色になっているので、その色がイメージにあったようですね。

Q)陶芸作家として今後は?
高鶴さん)現在はオーダーで作っていることが多いので、その反動で自分自身の作品として遊びのあるものを作りたいと思います。より自由でほがらかな作品をつくりたいですね。

 


 

FRAGRANCE JOURNAL Vol.1 2024年6月26日

取材・インタビュー
ROAliv 吹附(たづき)由里子